パウンド型の選び方 おすすめランキングときれいに真ん中割れにするコツ
お菓子作りを始めたら必ず欲しくなるのがパウンド型です。
パウンドケーキは具材や生地の風味を変えてアレンジの幅が広く、人にさしあげるお菓子としても人気です。
パウンド型ひとつで〜、などというタイトルでレシピ本もたくさん出ています。
初心者の方にもおすすめのお菓子ですので、使いやすい型をみつける参考にしてください。
パウンド型のメリット
- 人気のパウンドケーキが作れる
- パウンド型一つでいろいろなお菓子が作れる
- 洗いやすい
- 収納しやすい
- ミートローフなど、料理にも使える
パウンド型のバリエーション
形や材質、サイズなど、種類豊富なパウンド型。
まずはどんなものがあるのか項目別にご紹介します。
材質
主なものにブリキ、ステンレス、耐熱ガラス、樹脂加工があります。
ブリキ
- 熱伝導がよく、焼き菓子に最も適した材質です。
- 同じブリキ製でも金属の厚みが異なり、厚いものほどじんわりと火が通り、美味しく焼けます。
- 表面にシリコンが施してあるものは、空焼きの必要がなく、型離れもいいのでおすすめです。
- 錆びやすいので、冷やして食べるデザートなどにはオーブンシートやラップを敷いて使うとよいでしょう。
- 液体を入れるとつなぎ目からもれやすい
ステンレス
- 丈夫でサビに強く、汚れも落ちやすいので衛生的です
- 湯煎にして作ったり、冷やして食べるデザートに向いています
- 熱伝導はブリキに劣ります
- ブリキに比べて値段が高めです
- 液体を入れるとつなぎ目からもれやすい
耐熱ガラス
- 油汚れもしっかり落ちて衛生的
- 外側から中身が見える
- つなぎ目がないので液状の生地を入れても、もれ出す心配がない
- 金属に比べ、熱伝導は劣る
- 焼き上がりは丸みを帯びた形で、金属のようにかっちりとした形にはならない
- 他の材質に比べて重い
- ガラスなので割れる心配がある
樹脂加工
- 型離れがよく、生地をそのまま入れてもくっつきにくい
- 汚れが落ちやすい
- つなぎ目がないので液状の生地を入れても、もれ出す心配がない
- 樹脂加工の寿命により、使用期間は金属やガラスに比べて短い
サイズ
家庭用のパウンドケーキには長さ18センチ、21センチ、24〜25センチが一般的です。
幅と高さは形によって違いが出てきます(形の項目を参考にしてください)
形
よく見ると、幅が広いものや細いもの、深いもの浅いものなど、パウンド型の形はさまざまです。

基本的なパウンド型(画像中央)
画像左になります。
18センチのパウンド型なら、幅8センチ、高さ5〜6センチになります。
- 十分な容量で、レシピ通りに作れば型から溢れることなく作れます
- 幅があるので、型の中に生地を入れやすいです
- 30分前後で焼き上がります。
スリムパウンド型(画像左)
最近人気なのが細身のパウンド型です。
マトファー社のパウンド型などがこれにあたります。
基本形の幅が8センチ、高さ5〜6センチなのに対し、スリム型は幅7センチ、高さ6〜6.5センチになります。
- シャープでスタイリッシュな形に焼き上がります
- 型に生地を入れるのが難しく、こぼさないよう注意が必要です
- レシピによっては、生地が全部入り切らない場合があります
- 焼き時間は基本のパウンドよりもプラス5分を目安にするといいでしょう
ドロワ型(画像右)
パウンド型と見た目はほとんど変わりませんが、深めで一回り大きなドロワ型。
フランスではパウンド型といえば、このドロワ型が主流だそうです。
- 基本のパウンド型よりも2割増くらいの生地が入ります
- 具材がたっぷり入るフルーツケーキには特におすすめです
- ボリューム感があり、ゴージャスな雰囲気に仕上がります
- 切り分けたときの断面にも迫力が出ます
- パウンドケーキに変化をつけたくなった方におすすめです
私の使っているパウンド型
手元にあるパウンド型を数えてみたら、形やサイズ違いで15本ありました!
複数焼きを時間差で数回繰り返したり、差し上げるシチュエーションによって形を変えたり、とどのパウンド型も出番待ちをしている状態です。
ブリキ
板厚ブリキ 松永製作所 17.5cm x8xH6 パウンド型
メインで使っているパウンド型で、3個持っています。
松永製作所の製品で、厚手のブリキ製です。
熱伝導がよく、理想的な膨らみで、サイドはかっちりと焼き上がります。
家庭で一番使われているであろう、サイズと形ではないでしょうか。
書籍や雑誌などでパウンドケーキを紹介する場合は、こちらを使ってレシピを書いています。
マトファージャパン オリジナル パウンド型 18cm
スリムタイプのパウンド型です。
時々生地が溢れそうになるのですが、焼き上がりのシャープな形にほれぼれ。
容量がやや小さく、正直なところ出番は少ないのですが、とにかくお菓子作りのモチベーションが上がりますし、これで焼いたケーキなら、プレゼントに自信をもって差し上げられます。
松永製作所 パウンドケーキB型 18cm 黄金 シリコン 加工 180×80×H80mm
ドロワ型は長らくマトファー製を使ってきましたが、松永製作所からこちらが発売されて、使うようになりました。
黄金シリーズはブリキの表面にシリコン加工が施されているので、使う前の空焼きが不要です。
型にはめこまれた金属で強度が増し、美しいケーキが焼き上がります。
ガラス
iwaki(イワキ) 耐熱ガラス ケーキ型 パウンドケーキ型 角型 18×8cm用
プリンやミートローフに使うのが耐熱ガラスのパウンド型です。
液漏れせず、型にいれたまま冷ましている間に錆びたり、金属の色が食材に移る心配がありません。
樹脂加工
貝印 KAI ケーキ型 Kai House Select スリムパウンド型 中 フッ素加工 日本製
出番はほとんどないのですが、ガラスのパウンド型同様、つなぎ目がないので、液漏れせずに焼けるところが安心です。
また、アップサイドダウンケーキ(ひっくり返して底の部分が上になるケーキ)のように、底にフルーツを並べて焼く際、オーブンシートなしでもきれいに外すことができます。
オーブンシートの敷き方
パウンド型でお菓子を焼くときには、型から取り出しやすいよう、オーブンシートを敷き込むのがおすすめです。
敷き込み方にもいくつか方法がありますので、お菓子に合った方法で敷き込んでください。
切り込みを入れて敷き込む

もっとも一般的な方法です。
四隅に切り込みを入れ、重ね合わせて敷き込みます。
切り込みを入れないで敷き込む

キャラメルなど、液状のものを外に漏らさないようにする際には切り込みを入れず、袋折りにして敷き込むのがおすすめです。
帯状に切ったオーブンシートを敷き込む

帯状に切ったシートを型に入れるだけの敷き込み方です。
珍しい方法ですが、パウンド型でシフォンケーキを焼くときはこの方法がおすすめです。
型にくっつきながら膨らんでいくことで、途中でしぼまず、高さを保った状態で焼き上がります。
パウンドケーキを中心からきれいに割る方法
ある程度焼けるようになると、次に目指したくなるのが、真ん中からきれいに割れたパウンドケーキではないでしょうか。
放っておいても自然に割れるケースもありますが、確実に真ん中割れにするには、コツがあります。
- 焼き上がりから7〜8分経ったところでオーブンの扉を開いて生地の様子を確認する
- 表面が乾いて薄く膜を張った状態になっているかどうか確かめる
- 乾いていたら、ナイフで真ん中に1本切れ目を入れる
- オーブンの扉を閉じて残り時間焼く
オイルで作るパウンドケーキは、表面だけさっと撫でるのではダメです。
ナイフの先端が底につくくらいまで入れると、途中で埋まることなく、確実に割れます。
複数同時焼きするときの注意点
一度に大量に焼きたい時など、パウンド型を2本、3本と並べて焼く機会があるでしょう。
その際に注意したい点をいくつか挙げておきます。
きれいにむらなく焼けるのは2本まで
隙間なく天板いっぱいに並べて焼くのはNGです。
私の経験から、3本以上になると、どんなふうに置いても形が歪になったり、焼き時間が長引いたりする傾向がありました。
2本以内に焼くのがおすすめです。
型同士の間隔を開ける
2本同時に焼く場合、気をつけたいのがパウンド型の置き方です。
理由はオーブン庫内の熱風を均一に循環させるためです。
くっつけて並べると型同士の間に熱風が回らなくなり、焼き時間が長引いたり、均一に膨らまなくなる原因に。
上下にずらす

機種にもよりますが、うちのオーブンではこのように上下にずらすことで、より熱の周りがよくなりました。
天板を入れ替える
焼き初めから15分ほど経ったら、天板の手前と奥を入れ替えると均一に焼き色がつきます。
パウンド型で作れるいろいろなお菓子
バターケーキ以外にも、パウンド型を使ってさまざまなお菓子が作れます。
- バターのパウンドケーキ
- オイルのパウンドケーキ
- シフォンケーキ
- シュークリーム
- ガトーショコラ
- アップサイドダウンケーキ
- プリン
- ババロア
- アイスクリーム
パウンド型の可能性は広がるばかりです。
パウンド型で作れるお菓子の本
拙著で恐縮ですが、パウンド型で作れる本を2冊書いています。
バターを使わないパウンド型のお菓子
いずれもバターを使わずに作れるパウンド型のお菓子レシピを集めた本です。
パウンド型で作る焼き菓子レシピ
バターを使わないパウンドケーキ しっとり、ふわふわ、クッキー風、おかず風 4つの生地で楽しむ全45品
植物油を使って作れるパウンドケーキを「しっとり」、「ふんわり」、「クッキー」、「おかず」の4種類に分類して紹介しています。
パウンド型で焼き菓子を楽しみたい方におすすめの本です。
パウンド型で作る定番ケーキのレシピ
パウンドケーキはもちろん、ショートケーキや、チーズケーキ、シフォンケーキなど、パウンド型で作れる定番ケーキのレシピが載っています。
四角いシュークリーム、シューパウンドはネットでも話題になりました。
パウンド型おすすめランキング
丈夫で美しい焼き上がり
信頼のブランド、松永製作所のパウンド型です。
通常ブリキよりも板厚のため、丈夫でじんわりと熱が回り、きれいな焼き色がつきます。こちらは使う前の空焼きが必要になります。
サイズ:175(160)×80(70)×高60mm
まずは手頃な価格のものを一つ
松永製作所やマトファー社製の良さはわかるけれど、値段が… という場合には、手頃なパウンド型がおすすめです。ワンコインで買える、質のよいパウンド型です。
こちらは以前、私も使っていました。老舗の製菓道具店「馬嶋屋道具店」の品で安心です。
サイズ:180(165)×80(70)×高60mm

ゴージャスなパウンドケーキを
楽しみたい方へ
家庭的なイメージの強いパウンドケーキを晴れの日にふさわしく、豪華に仕上げるのにおすすめなのがドロワ型。
18センチパウンドケーキ型に深さを持たせた松永製作所のドロワ型は熱伝導のよさ、均一な焼き上がり、空焼き不要で手入れのしやすなど、どれをとっても最高級です。
サイズ:180×80×H80mm