卵
お菓子作りの基本の材料となる卵。
ふんわり膨らんだスポンジケーキやプリン、アイスクリームなど、卵を使ったお菓子はおいしいですね。
お菓子をおいしくする卵の特性とおいしい卵の選び方、気になるサイズについてお伝えしていきます。
お菓子をおいしくする卵の力
卵を使ったお菓子がきれいにおいしく仕上がるのは、卵の3つの性質によります。
起泡性
卵白に含まれるタンパク質、オボトランスフェリンとグロブリンという成分には表面張力を下げる働きがあり、かき混ぜたときに卵の表面と空気が触れやすくなることで泡ができます。これが卵の起泡性で、メレンゲやスポンジ生地などがふっくら仕上がります。
乳化性
水と油のように、混ざり合いにくいものを繋ぎ合わせることを乳化といいます。
卵黄には天然の乳化剤レシチンが含まれていて、混ざりにくい水と油を繋ぎ合わせ安定させます。
きちんと乳化したお菓子は舌触りなめらかで、素材本来の旨味が引き出されておいしくなります。
パウンドケーキなども、卵とバターや植物油などの油脂をしっかりと混ぜ合わせることでおいしく仕上がります。
熱凝固性
卵に含まれるたんぱく質は、熱を加えることで固まる性質があります。これが卵の熱凝固性です。
プリンや茶碗蒸しが固まるのはこのためです。
大きさ
殻も含めた重さ
卵の大きさは農林水産省の規格に基づいて、殻も含めた重さで以下の6種類に分けられます。
サイズ | 殻付きの重さ |
---|---|
SSサイズ | 40〜46g未満 |
Sサイズ | 46〜52g未満 |
MSサイズ | 52〜58g未満 |
Mサイズ | 58〜64g未満 |
Lサイズ | 64〜70g未満 |
LLサイズ | 70〜76g未満 |
卵黄と卵白のみの重さ
卵は、白身6:黄身3:卵殻1の割合からできていますので、卵黄と卵白のみで測ると、おおよそ次の分量になります。
サイズ | 卵黄と卵白だけの重さ |
---|---|
SSサイズ | 36〜41g未満 |
Sサイズ | 41〜47g未満 |
MSサイズ | 47〜52g未満 |
Mサイズ | 52〜58g未満 |
Lサイズ | 58〜63g未満 |
LLサイズ | 63〜68g未満 |
Mサイズの卵の卵黄と卵白
私が普段、お菓子に使っている卵は、Mサイズだということが確認できました。
Mサイズの卵黄と卵白の分量を算出してみると、
卵黄 17〜20g
卵白 35〜38g
となります。
普段、ほぼこのくらいの数字で計量していましたので、確認できて安心しました。
大きさによる卵黄と卵白の割合の違い
卵のサイズが大きければ大きいほどそれに比例して卵黄も卵白も大きくなるかというと、そうではありません。
卵黄の割合が一番大きいのはMサイズ、それよりも大きいL、LLサイズは卵黄の大きさはMサイズとほとんど同じで、卵白の量が増えます。
おいしい卵の選び方
新鮮なものを選ぶ
産卵された日からできるだけ近いものを選びます。
卵に記された「賞味期限」とは「生で食べられる期間のこと」で、産卵日から最大で21日間とされています。
これは家庭の冷蔵庫で10℃以下に保管されることを想定しています。
卵を産む鶏の餌をチェック
おいしいお菓子を作るには、卵の風味が大事です。
卵を割って匂いを嗅いでみると、生臭さを感じるものとそうでないものがあります。
これは餌による違いだそうです。
以前、放し飼いの鶏が産んだ卵を購入した際に、そちらの卵屋さんから伺いました。
鶏の餌には魚粉が使われることが多く、これが生臭さにつながるそうで、お話を伺った卵屋さんではとうもろこしや海藻を混ぜたものを使っているとのことでした。
スーパーで卵のパッケージを見ると、えさについて書かれているものがあります。
えさにこだわりのあるメーカーの卵をチェックしてみてください。