牛乳
プリンやカスタードクリーム、アイスクリームなど、牛乳はお菓子に非常によく使われています。
お菓子作りにはどんな牛乳が合うのでしょう。
その前に、牛乳のさまざまな分類の仕方と種類からお伝えします。
成分による分類
牛乳は牛乳類の一つで、牛乳類は食品衛生法に基づいて、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、乳飲料に分類されます。
生乳100%とは
牛乳類のうち、牛から搾ったままの乳を生乳とよび、生乳だけを原料にしたものが生乳100%になります。
生乳100%に含まれるものには
- 牛乳
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
の4種類があります。
牛乳とは
そのうち、生乳100%、成分無調整で、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上のものが「牛乳」にあてはまります。
成分無調整とは
牛乳を製造する工程で生乳だけを使い、成分をまったく調整していないことです。
水や他の原材料を混ぜたものは成分無調整とは言えません。
高温殺菌と低温殺菌
高温殺菌牛乳
一般に売られている牛乳の9割がこの高音殺菌です。
120~130℃の高温で2~3秒間殺菌処理されます。
菌が死滅して日持ちが良くなる一方、たんぱく質の変質により、牛乳の臭みや粘りが生じ、低温殺菌に比べると風味は劣ります。
低温殺菌牛乳(パスチャライズ牛乳)
63~65℃で30分間、あるいは75℃以上で15分以上殺菌処理された牛乳です。
低温でゆっくり殺菌することで、たんぱく質が変質しにくく、生乳の香りが生きた、さらっとした牛乳になります。
ただし、菌は死滅していないので、日持ちしません。
パッケージをみると、高音殺菌牛乳には「賞味期限」が書かれているのに対し、低温殺菌牛乳には「消費期限」が書かれています。
消費期限内であるのはもちろんですが、開封したらできるだけ早く飲み切りましょう。
ホモ牛乳とノンホモ牛乳
搾りたての牛乳はクリーム分とホエー(乳清)に分かれています。そこに圧力をかけて成分を均一化し、消化しやすいくする工程をホモジナイズと言います。ホモジナイズされた牛乳がホモ牛乳、されていないないものがノンホモ牛乳です。
ホモ牛乳
消化されやすく、味が均一になりますが、ホモジナイズにより、風味は落ちます。
ノンホモ牛乳
胃の中で固まりやすいので、消化に時間がかかります。
牛乳本来の風味が楽しめ、あっさりとした味です。
ノンホモ牛乳の表面にできる「クリームライン」は脂肪球の固まりで、下の部分は低脂肪牛乳(ホエー)になっています。
クリーム部分とホエー部分とを別々に味わってもいいですし、全体を混ぜて飲んでもおいしいです。
ホルスタイン牛とジャージー牛
乳牛の種類によっても分けられます。日本ではホルスタインとジャージーが知られています。
ホルスタイン種
日本で飼育されている牛の99%はホルスタインです。
ホルスタイン種から取れる牛乳の脂肪分は約3.5%、無脂乳固形分は約8.5%で、一般的な牛乳のパッケージに表示されているのと同じですね。
ジャージー種
イギリスの牛です。
ジャージー牛乳の脂肪分4.5~5.5%、無脂乳固形分8.7~9.2%で、ホルスタイン種に比べると脂肪分が高く、濃厚な味わいで、栄養価も高いのが特徴です。
お菓子に向く牛乳
牛乳
お菓子作りには生乳100パーセント、成分無調整の牛乳がおすすめです。
「成分による分類」でも紹介した通り、生乳100%、成分無調整で、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上のものが「牛乳」にあてはまります。
低脂肪のものですと、コクが足りませんし、乳化も促進されにくいため、あまりおすすめできません。
低温殺菌牛乳
風味よく、さらりとした低温殺菌牛乳はお菓子作りに最適です。
低温殺菌牛乳で作ったカスタードクリームは口当たりがよく、牛乳本来の風味を味わうことができます。
卵黄やバニラとの相性も抜群です。
普通の牛乳に比べると少し値段は張りますが、牛乳が主役となるお菓子にはぜひ使ってみてください。
ジャージー牛乳
乳固形分が高めなので、プリンやクリームなど、お菓子の材料にはぴったりです。
手に入りにくいのと高級品のイメージがあります。
特別な日のお菓子作りに使ってみてもいいですね。
ジャージー牛乳と、ジャージー牛乳の濃厚なおいしさを活かしたスイーツで人気なのが蒜山ジャージーです。